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売上は見ているのに、なぜ再来店につながらないのか?Adyenの事例で学ぶ「決済データの使い方」

マーケメディア

売上は見ているのに、再来店やリピート施策だけが読めない

「昨日の売上はいくらだったか」はすぐ分かるのに、「なぜ次の来店や再購入につながらないのか」は説明しづらい。多くの現場で起きているのは、このズレです。

数字は見えているのに、次の販促施策が見えない。ここに、決済データや購買データを集計で止めてしまうもったいなさがあります。

ECや店舗の数字は見ていても、次の施策につなげられない初心者マーケターほど、決済データは経理や店舗運営のものだと考えがちです。ですが実際には、決済・購買データには「いつ買ったか」「どこで買ったか」といった再来店やリピート施策のヒントが含まれています。なお、「何回買っているか」を顧客単位で把握するには、会員IDやPOS・CRM連携などが必要な場合があります。

Adyenも、決済を単なる処理ではなく、顧客理解につながる接点として捉える考え方を自社サイトで示していると読み取れます。

なぜ決済データは売上管理の数字で終わりやすいのか

決済データが販促に使われにくい理由の1つは、見る目的が最初から限定されていることです。売上日報、月次集計、入金確認には使っていても、顧客の行動分析までは踏み込まない。すると、データはあるのに、施策に変換されません。

もう1つは、部門ごとにデータが分かれていることです。店舗のPOS、ECの購買履歴、会員アプリの反応、広告の配信結果が別々に管理されると、「同じ人がどの流れで購入したか」が見えにくくなります。

Adyenの情報発信でも、オンラインとオフラインをつなげて捉える重要性が示されています。

Adyenの考え方から学ぶ、決済を顧客理解と販促改善の入口にする発想

Adyenは自社サイトで unified commerce を訴求しており、オンラインと実店舗をまたいだ決済を一体で捉える考え方を示しています。ここで重要なのは、決済データそのものが万能だという話ではありません。

決済を起点にして、顧客の行動を一続きで見られるようにすることに意味があります。

たとえば、ECで商品を見た後に店舗で購入した人と、店舗で初回購入した後にアプリ経由で再購入した人では、次に効く販促が違います。前者には比較検討を後押しする情報が効くかもしれませんし、後者には購入間隔に合わせたリマインドが効くかもしれません。

Adyenの公式ブログでも、決済や購買のデータを顧客体験改善につなげる視点が紹介されています。

再来店促進に効く、初心者マーケターでも見やすい3つの視点

1つ目は、購入頻度です。1回だけ買って離脱しているのか、数回買ってから止まっているのかで、打つべき施策は変わります。初回客が多いのに2回目購入が少ないなら、初回後フォローの内容やタイミングが一因の可能性はありますが、商品満足度や価格、競合、季節性など他の要因も考えられます。

2つ目は、購入タイミングです。来店や購入の間隔が見えれば、「何日後にアプローチすると戻りやすいか」を考えやすくなります。全員に同じ配信をするより、行動タイミングに合わせた接触のほうが成果につながる可能性がある、という考え方にもつながります。

3つ目は、チャネル横断の行動です。店舗だけ、ECだけで見ると、離脱に見えた人が、実は別チャネルで継続購入していることがあります。単一チャネルだけで判断すると、実際の顧客行動とのズレが生まれやすくなります。

購買データを販促に変えると、打ち手はどう変わるのか

たとえば、購入頻度が低い初回客が多いなら、値引きクーポンを一斉配布する前に、「初回購入から一定期間内に使い方やおすすめ商品を伝える」といった施策のほうが有効な場合があります。商材によっては、再来店しない理由が価格だけでなく、比較不足や利用イメージ不足にある可能性もあるためです。

逆に、一定回数買っていたのに来なくなった人には、過去の購買カテゴリに合わせた再提案が向いています。全員に同じキャンペーンを見せるのではなく、「前回は何を買ったか」「どのチャネルで反応しやすいか」をもとに切り分けると、販促は配信作業ではなく仮説検証になります。

現場で試せる、決済データ活用の3ステップ

最初の一歩は、決済・購買・会員データから売上以外の列を見ることです。たとえば「購入日」は決済・購買データ、「購入回数」は顧客IDとの連携後の情報、「利用チャネル」や「商品カテゴリ」は購買データなど、基本項目だけでも再来店分析の土台になります。

全部を統合しようとすると止まりやすいので、まずは自社で見られる購買データを1つ選び、1つの店舗や1つのキャンペーン単位で試すのが現実的です。

次に、そのデータを使って1つだけ仮説を立てることです。たとえば「初回購入後10日以内の接触が再来店に効くのではないか」という形にすれば、次回の販促施策で成否を見やすくなります。

データを見る目的は、きれいなレポートを作ることではなく、次の行動を決めることです。

最後は、施策結果を再び決済データで振り返ることです。配信したかどうかではなく、その後に購入頻度や来店間隔がどう変わったかを見る。これができると、決済データは売上管理の終点ではなく、販促改善の起点に変わります。

動画で全体像をつかみたい人は、Adyenの公式YouTubeも参考になります。

売上の中に、次の来店と販促改善のヒントを探す

決済データがもったいないのは、数字として価値が低いからではありません。売上確認だけに閉じると、「なぜ売れたか」「なぜ次につながらないか」が見えないままになるからです。

Adyenの考え方が示しているのは、決済を処理ではなく顧客接点として捉え直す視点です。初心者マーケターがまず持つべき問いはシンプルです。

「この売上の中に、次の来店を増やすヒントはないか」。まずは自社で見られる購買データを1つ選び、次回販促に使える仮説を立てる。その一歩だけでも、決済データの見え方は大きく変わります。

このページの内容
売上は見ているのに、再来店やリピート施策だけが読めない
なぜ決済データは売上管理の数字で終わりやすいのか
Adyenの考え方から学ぶ、決済を顧客理解と販促改善の入口にする発想
再来店促進に効く、初心者マーケターでも見やすい3つの視点
購買データを販促に変えると、打ち手はどう変わるのか
現場で試せる、決済データ活用の3ステップ
売上の中に、次の来店と販促改善のヒントを探す