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Canva SheetsやMagic Studioが便利でも提案資料が読まれない理由――『きれいに要約した資料』ほど営業・マーケ・上司で見たい判断がズレるのはなぜか

マーケメディア

CanvaのAI機能で資料は整うが、意思決定のズレまでは埋まらない

Canva SheetsやMagic StudioのようなAI資料作成機能を使うと、表や文章の見た目は驚くほど早く整います。Canvaでも、AIを使ってコンテンツ制作を効率化する流れが強く打ち出されています。

https://www.canva.com/magic-studio/

ただ、社内で意思決定される資料という観点で見ると、時短できることと、通る資料になることは同じではありません。現場では「読みやすいのに通らない」「要点はあるのに反応が薄い」と感じられる資料を見かけることがあります。

問題はデザイン不足だけではなく、相手がその資料で何を判断したいのかが、最初に設計されていないことにもあります。AIで提案資料やレポートを整えることはできても、相手ごとに何を残し、何を削るべきかが曖昧なままだと、きれいに要約した資料ほど判断がズレやすくなります。

たとえば営業は「すぐ提案で使えるか」を気にし、マーケは「再現性や検証性があるか」を見ます。上司は「その場でGo判断できる材料がそろっているか」を重視します。同じ1枚でも、見ているものが違えば、同じ要約が全員に刺さることはありません。

きれいにまとまった資料ほど、判断に必要な情報が抜けることがある

最近の資料作成では、ゼロから書くより、AIでたたき台を作って整える流れが広がりつつあります。Microsoftでも、PowerPoint関連のサポート情報が案内されています。AIによるアウトライン作成やスライド整理の支援機能は、利用環境や提供範囲によって異なる場合があります。

ここで起きやすいのが、見た目と要約の完成度が高いほど「伝わったはず」と思い込みやすいことです。ですが実際には、読み手は文章のうまさではなく、自分の判断に必要な材料があるかで資料を見ています。

つまり、資料が読まれないのは情報量が多いからだけではありません。むしろ、要約によって読みやすくなる一方で、前提条件や比較軸が省かれ、「結局何を根拠に判断すればいいのか」が見えなくなるケースもあります。

営業・マーケ・上司では、同じ資料でも見たい判断が違う

営業が見たいのは、提案トークに変換しやすいかどうかです。顧客にそのまま説明できる言葉、よくある反論への答え、導入時のメリットが短時間でつかめる資料が好まれます。

一方でマーケ担当者は、その施策が再現できるのかを見ます。対象読者をどう切り分けるか、どの前提で検証するかが曖昧だと、実行にはつながりにくくなります。特に初級の担当者ほど、要約はできても、誰向けにどの情報を残すべきかで迷いやすいはずです。

上司や決裁者はさらに違います。細かい表現よりも、投資対効果、優先順位、やらない場合の機会損失、次に承認すべきアクションが明確かを見ます。

つまり、同じ「提案資料」でも、現場実装、検証可能性、意思決定という3つの見方が並行して存在しているわけです。

要約を優先しすぎると、判断材料が落ちやすい

要約が悪いのではありません。問題は、誰向けの要約なのかを決めずに、全員向けに薄く整えてしまうことです。すると結論は読みやすいのに、判断のための補助線が消えます。

特に落ちやすいのは、背景、比較対象、採用しない場合のリスク、実行条件です。こうした情報は文章を短くすると真っ先に削られやすいのに、意思決定ではむしろ重要です。

  • 背景
  • 比較対象
  • 採用しない場合のリスク
  • 実行条件

たとえば「SNS施策を強化すべきです」とだけ書かれていても、営業は商談化につながるのか、マーケはどの指標で検証するのか、上司は予算配分を変える価値があるのか判断できません。文脈が抜けた要約は、見やすくても決めにくい資料になりやすいのです。

Canva SheetsやMagic Studioは、資料作成より先に視点の作り分けに使う

ここで発想を変えると、Canva SheetsやMagic Studioは単に資料をきれいにする道具ではなくなります。先に「誰が何を判断するか」を分けるための整理ツールとして使うと、むしろ強みが出ます。

Canva Sheetsなら、同じ提案内容を「営業向け」「マーケ向け」「上司向け」の列に分けて整理できます。そのうえで、それぞれに必要な数字、懸念点、次のアクションを書き出せば、1つの要約を無理に全員へ当てにいかずに済みます。

https://www.canva.com/newsroom/news/introducing-canva-sheets/

Magic Studioのような生成支援機能は、その整理後に使うのが効果的です。最初から要約させるより、相手別に論点を分けたあとで文章化やビジュアル化を支援させたほうが、見た目と判断材料がずれにくくなります。

同じ提案内容でも、相手別に残す情報と削る情報を変える

たとえば「展示会後のリード活用を改善する提案」を考えてみます。営業向け資料なら、見込み客への初回連絡の切り口、よくある失注理由、追客の優先順位が重要です。現場でそのまま使える表現があるほど、資料は読まれます。

マーケ向けなら、流入経路別の反応差、メール開封率、商談化率、ABテストの設計が中心になります。ここでは「なぜこの施策が効くのか」を、数字と仮説で説明する必要があります。

上司向けでは、話す順番が変わります。最初に必要なのは、何を変える提案か、どれくらい売上や効率に影響するか、実行コストはいくらか、今決めるべきことは何かです。

たった1ページでも、この順序になっていれば判断しやすさは大きく変わります。

直近資料は3つの判断に分解して見直す

資料を作る前に、最低でも3つだけ確認すると精度が上がります。1つ目は、上司が見たい判断は何か。2つ目は、営業が使いたい一言は何か。3つ目は、実務担当が次に動ける情報は何かです。

  1. 上司が見たい判断は何か
  2. 営業が使いたい一言は何か
  3. 実務担当が次に動ける情報は何か

この3つに分解して直近資料を見直すと、入れるべき情報と削ってよい情報が見えてきます。逆にここが曖昧なまま「1枚で要約」すると、きれいではあるけれど誰にも決められない資料になりやすいのです。

https://www.atlassian.com/work-management/knowledge-sharing/presentation-skills

Canva SheetsやMagic Studioは、とても便利です。けれど本稿で重視したいのは、時短そのものより、社内で意思決定される資料の作り分けを理解し、相手別に判断基準を設計できるかどうかです。

次に資料を作るときは、まず「この人は何を決めたいのか」を1行で書き出したうえで、直近資料を「上司が見たい判断」「営業が使いたい一言」「実務担当が次に動ける情報」の3つに分解して見直してから、要約とデザインに進んでみてください。

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CanvaのAI機能で資料は整うが、意思決定のズレまでは埋まらない
きれいにまとまった資料ほど、判断に必要な情報が抜けることがある
営業・マーケ・上司では、同じ資料でも見たい判断が違う
要約を優先しすぎると、判断材料が落ちやすい
Canva SheetsやMagic Studioは、資料作成より先に視点の作り分けに使う
同じ提案内容でも、相手別に残す情報と削る情報を変える
直近資料は3つの判断に分解して見直す