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Figma Makeでバナーを量産するとABテストが弱くなる?初心者が見落とす「差分の増やしすぎ」問題
Figma Makeでたたき台を量産しても、次の勝ちパターンが見えない違和感
Figma Makeのような生成機能を使うと、短時間でバナーやLPのたたき台を何本も出せます。最初はとても便利ですし、「これでABテストが速くなる」と感じる人も多いはずです。
ただ実際には、テスト数が増えても学びが増えず、次の改善にうまくつながらないことがあります。1本だけ数字が良くても、次回また同じように勝てない。特に、AIで速く案を作れるようになった一方で、何が効いたのかを振り返れない初心者マーケターでは、この状態が起こりやすいです。背景には、テストで見たい差分と、見た目全体の差分が混ざりやすいことがあります。
Figmaの公式サイトでも、制作の速さや共同作業のしやすさは大きな強みとして打ち出されています。量産の力は本物です。だからこそ、作れることと学べることは分けて考える必要があります。

Figma Makeで量産できても、ABテストの学びは自動では増えない
Figma Makeの魅力は、コピー違い、配色違い、レイアウト違いの案を一気に並べやすいことです。広告の現場では、初速を出すための素材集めとしてかなり役立ちます。
一方でABテストは、本来「何を変えたら結果が動いたか」を学ぶための仕組みです。見出し、背景色、人物写真、CTA、情報量を同時に変えると、勝因も敗因も分かりにくくなります。つまり、たたき台量産でテスト数を増やせても、それだけで学びの増加に直結するわけではありません。
Metaの広告ガイドは、クリエイティブの見せ方や構成の事例を確認する参考になります。量産した案をそのまま並べて終わるのではなく、変数を意識して扱うことが大切です。
初心者は特に、良かった案を見て「なんとなく良い」で終わりがちです。しかし運用で必要なのは感想ではなく、次に転用できる仮説です。量産が悪いのではなく、量産した案をそのまま比較すると学びが薄くなることが問題です。
差分が多すぎると、何が効いたのか分からず再現できない
たとえばA案とB案で、人物ありなし、文字量、価格の見せ方、ボタン色、訴求軸まで全部違っていたとします。この場合、B案が勝っても「人物が効いた」のか「価格訴求が効いた」のか判断できません。
ABテストで見るべきなのは、完成品の印象よりも、構成要素の差分です。HubSpotの解説でも、因果関係を追いやすくするには一度に1つの変数をテストする考え方が勧められています。

初心者向けに言い換えると、テストとは正解探しではなく原因特定です。バナー全体を作品として比較するより、見出しだけ、CTAだけ、オファーの見せ方だけ、という切り分け方のほうが、次回の再現性は高くなります。
より実務寄りの説明として、HubSpotのブログでも1つの変数を切り分けて比較する進め方が整理されています。

勝ちクリエイティブを再現できないチームが詰まりやすい3つのポイント
1つ目は、テスト前に「何を検証するか」を言語化していないことです。訴求軸を見たいのか、デザインテイストを見たいのかが曖昧だと、当たった後も学びが残りません。
2つ目は、勝ち案の記録が粗いことです。「青背景が良かった」だけでは不足です。どのターゲットに、どのオファー表現で、どの配置が効いたのかまで残さないと、別案件で使えません。
実験設計では、元の条件と実験条件を分けて比較することが重要です。なお、途中で条件を増やしすぎると、結果の解釈が難しくなりやすいのは一般的な注意点です。
3つ目は、量産フェーズと学習フェーズを分けていないことです。最初に広く案出しするのは有効です。ただ、その後は勝ち筋候補を少数に絞り、変数を限定して深掘りしないと、再現できる知見にはなりません。
動画で作業感をつかみたい場合は、Figma Makeの公式ページやFigmaの公式YouTubeチャンネルも参考になります。

初心者でも回しやすい、差分を絞るABテスト設計
実務では、最初にFigma Makeで10案出すこと自体は問題ありません。大事なのは、その10案をそのまま本番比較に使わないことです。
たとえば最初の観察で「ベネフィットを強く出した案が良さそう」と見えたら、次は訴求軸を固定し、見出し表現だけを3案比較します。その次にCTA文言だけ、さらに次にビジュアルの有無だけ、という順で切り分けます。
VWOの解説でも、A/Bテストと多変量テストは分けて考えるべきものとして整理されています。何を比べたいのかを先に決めるだけでも、学びの質はかなり変わります。
A/B Testing in VWO
Multivariate Testing in VWO
Split URL Testing in VWO
Get yourself familiarized with different types of testing in VWO and decide which type o...
初心者向けの簡単な運用ルールにすると、次の3つに絞れます。
- 1回のテストで変える主役は1つにする
- 各案の差分を説明できないものは出稿しない
- 勝ち案は見た目ではなく、効いた要素で記録する
あわせて、直近のABテストは「変えた要素」「固定した要素」「次回も検証する要素」の3列で整理しておくと、次の改善につなげやすくなります。
このやり方だと派手さは減りますが、勝ちクリエイティブを次回も作りやすくなります。結果として、量産した意味が初めて生きてきます。
量産は入口であり、学習は比較設計で決まる
Figma Makeの価値の1つは、試作を速くすることです。そこで得た多様な案は、仮説の地図としてはとても優秀です。
一方で、ABテストで本当に欲しいのは「なぜ勝ったか」を次に持ち越せる知識です。そのためには、差分を増やしすぎないこと、比較の目的を先に決めること、勝ち要因を要素単位で保存することが欠かせません。
もし今、たくさん作っているのに改善が積み上がらないなら、問題はセンス不足ではありません。比較設計の粒度が粗いだけかもしれません。
次のテストからは、量産した案を減らすのではなく、学ぶために並べ替える発想へ切り替えてみてください。運用改善の視点を広げたいときは、Think with Googleの事例やインサイトもヒントになります。