最新記事
中国・開平の望楼群は、なぜ“奇妙に西洋風の塔が立つ村”になったのか——移民の送金と治安不安が、水田地帯の景観を異質に変えた理由
水田の村に突然あらわれる西洋風の塔の違和感
広東省・開平の田園を歩くと、風景はどこか静かです。水田がひらき、村道がのび、木々のあいだから塔のような建物がふいに姿を見せる。その瞬間、視界のなかにだけ別の時代、別の大陸が差し込んだように感じられます。
列柱、アーチ、ドーム、バルコニー。中国南部の農村にしてはあまりに西洋風で、しかもそれが一軒の洋館ではなく、見張り台のように立っている。この違和感こそが、開平望楼群の核心です。
ただ、その景観を美しい異国趣味として眺めるだけでは、この土地でなぜこうした建築が必要になったのかは見えてきません。景観の美しさの奥には、海外移民の帰郷と送金、そして村を守る必要が重なった切実な事情がありました。ユネスコでも、開平の碉楼は防衛と居住を兼ねた多層建築として説明されています。
映像で眺めると、その異質さはいっそう鮮明になります。田んぼのなかに塔が点在する様子は、地図で理解するより、まず目で見たほうが早いかもしれません。
----------------●○-----------
中国・広東省、のどかな田園風景が広がる開平に巨大な楼閣が林立しています。その数、何と1833棟!多くは約100年前の20世紀初頭に建てられたもので、中国と西洋の建築様式が入り混じる奇抜なデザインをしています。中世ヨーロッパの城のような楼閣もあれば、教会や神殿に似ているものまで…。一体、誰が何の目的で巨大な楼閣を建てたのか?農村に聳える楼閣誕生の秘密に迫ります。
20世紀初頭、開平では盗賊が横行していました。そのため盗賊の襲撃に備え楼閣が建造されました。建築主は開平からアメリカなどに働きに出た人たちでした。彼らが海外で見て感動した建物を元にしているため、中国と西洋の様式が混在する建物になったのです。
盗賊から村を守ったのは楼閣だけではありません。村の周りにトゲを持つ特別な竹を植え、防護壁としていました。さらに村の入口の門には見張りがいて、徹夜で侵入者に目を光らせていました。村は、まさに鉄壁の守りで固められていたのです。
19世紀、開平の人々は、仕事を求めアメリカやカナダに渡り大陸横断鉄道の建設現場などで働いていました。中には、貯めたお金を元手に店を開き事業を成功させた人も…。そんな彼らが、貧しかった故郷に豊かな西洋を再現したのが西洋風の楼閣でした。
建築美をお楽しみください!
----------------●○-----------
A fusion of Chinese and Western architecture seen in 1,833 towers!
In Guangdong Province, China, in the peaceful countryside of Kaiping, there stands a forest of gigantic towers, numbering a whopping 1,833! Most of them were built about 100 years ago, in the early 20th century, and have an eccentric design that mixes Chinese and Western architectural styles. Some of the towers look like medieval European castles, others resemble churches or temples…Who built these huge towers and for what purpose? We will explore the secret of the creation of these towers rising up above farming villages.
In the early 20th century, banditry was rampant in Kaiping. The towers were built in case of bandit attacks. The building owners were people from Kaiping who had gone to work in the United States and other countries. The buildings are a mixture of Chinese and Western styles, based on buildings they had seen and admired abroad.
It was not only the towers that protected the villages from bandits. Special thorny bamboo was planted around the villages as a protective barrier. In addition, there were guards at the villages’ entrance gates who would stay up all night to watch for intruders. The villages were truly fortified with impenetrable defenses.
In the 19th century, people from Kaiping went to the United States and Canada in search of work. They labored on the construction of the transcontinental railroads. Some of them used the money they saved to open stores and run successful businesses. The Western-style towers were their way of recreating the rich West in their impoverished hometowns.
Enjoy the architectural beauty!
TBS「世界遺産」は毎週日曜午後6時から、女優の杏さんがナレーションを担当し、放送している番組です。テレビ放送も是非ご覧ください!
●番組公式SNS
Twitter https://twitter.com/heritage_TBS/
Instagram https://www.instagram.com/tbs_heritage
Facebook https://www.facebook.com/heritage.TBS/
#杏 #asia #china #開平 #絶景 #TBS #世界遺産 #ドローン #海外旅行 #worldheritage #kaiping #video

水郷の農村で高まった洪水と治安不安
開平は珠江デルタ西部の水網地帯にあり、豊かな農地を抱える一方で、歴史的には洪水や治安不安に悩まされてきました。地域には盗賊対策としての楼や堡の伝統があり、村を守るために高所から周囲を監視する発想は、突然生まれたものではありませんでした。
20世紀初頭に入ると、その不安はより現実的なものになります。晩清から民国期にかけての匪賊被害や地方の不安定化など、複数の要因が重なり、蓄えを狙う襲撃への警戒が高まりました。
開平の村々では、門を固め、竹の防護帯を設け、そして最後の避難先として頑丈な塔を築く必要がありました。碉楼は、まず美観のためではなく、防衛のために必要とされた建物でした。
■□欢迎订阅CCTV纪录■□https://bit.ly/CCTVdocumentary
《中国微名片——世界遗产》(第二季)https://bit.ly/ZhongguoweimingpianshijieyichanS2
■□节目简介■□
该片聚焦中国的世界遗产,以每集5分钟的微缩体量、国际化的表达方式、带入性的视角、情感化的叙述,以及最具代表性的文化和自然场景,呈现出遗产地的无穷魅力,打造出一套“中国微名片”。
■□其他CCTV纪录精彩节目列表■□
《中国微名片——世界遗产》(第一季)https://bit.ly/zhongguoweimingpianshijieyichanS1
《鲜生史》第二季 https://bit.ly/GourmetsAliveS2
《山海经奇》https://bit.ly/Shanhaijingqi
《七三一真相》https://bit.ly/731zhenxiang
《智造中国》https://bit.ly/zhizaozhongguo
《国家公园·万物共生之境4K》https://bit.ly/Guojiagongyuan
《大运河之歌》https://bit.ly/dayunhezhige
《福岛之殇》https://bit.ly/fudaozhishang
《中国建设者》https://bit.ly/zhongguojianshezhe
■□Subscribe For More■□
CCTV中国中央电视台 https://bit.ly/3BWrpv9
CCTV中文国际 https://bit.ly/CCTV4International
CCTV《开讲啦》频道 https://bit.ly/CCTVvoice
CCTV《百家讲坛》频道 https://bit.ly/Chinahistorytalks
CCTV电视剧 https://bit.ly/CCTVDRAMA
■□Our Social Media■□
Facebook(中文)https://www.facebook.com/CCTV.CH
Facebook(英文)https://www.facebook.com/cctvcom
■□更多精彩内容欢迎关注CCTV Global■□https://global.cctv.com/
#世界遗产 #人文 #中国

華僑送金が望楼建設を現実のものにした
けれど、不安だけではあれほど印象的な塔の林立は生まれません。防衛施設を実際に建てるには、相応の資金が要る。その資金を支えたのが、19世紀から20世紀にかけて南洋、北米、オーストラリアへ渡った開平出身者たちでした。
彼らのなかには鉄道建設や商業などに従事した人びとも多く、少しずつ故郷へ送金しました。送金は家族の生活を支えるだけでなく、家屋の建築、村の共同設備、教育への投資にも向かいます。
開平が僑郷として知られるのは、この越境した生活圏が村の姿そのものを書き換えたからです。世界遺産の説明でも、海外移民の経験と帰郷後の建築活動は重要な背景として位置づけられています。
https://www.britannica.com/place/Kaiping-Diaolou
動画資料でも、開平の碉楼が華僑の富と帰郷の歴史に強く結びついていることが語られています。
★閱讀相關文章★
➔https://www.ourchinastory.com/zh/2003
★更多資訊,鎖定「當代中國」官網★
➔https://bit.ly/3ucHn0S
全新視角,聚焦中國熱點;最新潮流,掌握發展脈搏;趣味故事,訴說人情世事;弘揚文化,激發家國情懷。
★在 Facebook上追蹤我們★
➔「熊貓博視」聚焦中國先進成就:https://bit.ly/3npXHHS
➔「時空筆記」以史為鏡 撫今追昔:https://bit.ly/3nrDAJk
➔「圖說snapshot」絕美圖片訴說雋永故事:https://bit.ly/39Xw3ij

ここで重要なのは、望楼が国家主導の大規模事業ではなく、多くは華僑送金を背景に、個人・一族・村落共同体などによって建てられた点です。海の向こうで稼いだ金が、故郷では壁の厚みになり、鉄筋コンクリートを含む堅牢な構造になり、上階の銃眼や見張り窓になっていったのです。
西洋風の意匠に刻まれた海外経験と帰郷の記憶
では、なぜそれは単なる高い塔ではなく、西洋風の塔になったのか。主な背景の一つとして、海外へ渡った開平出身者たちの経験や近代的意匠への志向がありました。彼らは異国の都市で教会、官庁、ホテル、住宅の意匠に触れ、その壮麗さや新しさを記憶に刻みました。
そして帰郷したとき、必要なのは防御のための堅牢な建物であっても、外観には自分が見てきた世界を重ね合わせたのです。西洋風の外見は、単なる異国趣味というより、移動の経験が建築に刻まれた結果でした。
ただし、それは西洋建築の単純なコピーではありません。中国式の居住感覚や村落での使い方に合わせて、アーチやドーム、列柱、装飾が選び取られ、再構成されていました。
いわば開平の望楼は、海外経験や近代的意匠への志向を、故郷の現実に合わせて翻訳した建物でした。現地を紹介する映像でも、教会や城郭を思わせる意匠が農村に溶け込む不思議さがよくわかります。
中華人民共和国、広東省開平市
Kaiping, Jiangmen, Guangdong, China
ไคผิง, มณฑลกวางตุ้ง, ประเทศจีน
广东省开平市
YouTube(世界遺産のテーマパーク?【立園】/中国、「開平の望楼群と村落」): https://youtu.be/PqHSSH1fSU0
YouTube(騎楼が並ぶ、世界遺産の町並み【赤坎】): https://youtu.be/1rylBr_UeBw
YouTube(望楼の内部): https://youtu.be/OMjUwu8T9PM
#世界遺産 #開平 #开平 #World Heritage

より端的な解説としては、中国新聞社の短い動画も参考になります。西洋の複数の歴史様式を想起させるアーチや柱、ドーム状の要素などが重ねられたとされ、その混成ぶり自体が開平の特質です。
一百多年前,广东开平华侨脑洞大开,把古希腊的拱券、古罗马的廊柱,甚至是拜占庭的穹顶拼叠在中式碉楼上,建造了乡村里的万国建筑博览园,成就了世界移民史上的奇观。这些碉楼曾经被用来充当战乱避难所,也承载着漂泊四海的华人剪不断的乡愁。如今,1800多座碉楼座仍然伫立在岭南乡野,向世界诉说着中外交融的东方故事。

望楼は飾りではなく防犯と避難のための砦だった
開平望楼の魅力は、見た目の華やかさと機能の厳しさが同居しているところにあります。遠くから見ると装飾的でも、近づけば小さな窓、厚い壁、高い入口、上階から周囲を見渡せる構造に気づきます。
そこには、見せる建築である以前に、守る建築であることが刻み込まれています。あの塔の奇妙さは、装飾と防衛が一つの建物のなかで分かちがたく結びついているところから生まれています。
碉楼には、大きく分けると個人住宅型、共同避難型、見張り中心の型などいくつかの系統があり、村ごとの事情に応じて役割も異なりました。襲撃時には人や財産を避難させ、平時には一族の威信も示す。その二重性こそが、開平の景観を特別なものにしています。
Watchtowers of Kaiping were built in the beginning of the Ming Dynasty 1368-1644) as a defensive response to incessant bandit raids, and heavy flooding in played into, Three types of Watchtowers emerged over the centuries; defensive, residential and communal. Most Watchtowers were designed with reinforced structures, thick walls and small windows.
At the beginning of the 20th century, Kaiping became a major source of overseas emigres. Many Kaiping natives eventually returned to the homes with newly acquired wealth, and built Watchtowers with Western touches incorporated into the architecture. Residential Watchtowers became a way for owners’ to display their wealth via flamboyant designs.
Chinese who went overseas brought these exotic elements back home, as they found Western architecture splendid while they were abroad. Baroque, Roman and Gothic influences are clearly visible in many of the watchtowers.
开平碉楼是开平地区特有的乡土建筑,是一种防御、居住的多层城堡式房屋,将中西建筑艺术融为一体。 它们反映了特定时期,特定地区中国农村,与西方多元文化交流的历史融合。被普遍认为是引人注目的建筑艺术画廊。现存数量为1833座,也被视为开平市的辉煌标志。 2007年被列入世界文化遗产名录。
开平碉楼建于明朝初期(1368-1644年),是为了防御不断的土匪袭击和严重的洪水。几个世纪以来,出现了三种类型的碉楼, 防御性、住宅性和公共性。 碉楼多为钢筋结构、厚墙、小窗。
20世纪初,开平成为海外侨民的主要来源地。 许多开平人带着新获得的财富回到了家园,建造了融入西方风格的碉楼。住宅碉楼成为业主通过华丽设计展示财富的一种方式。
出国的中国人,把这些异国元素带回了家乡,因为他们在国外发现了西方建筑的辉煌。 许多瞭望塔都清晰可见巴洛克,罗马和哥特式的影响。

立園のような華僑庭園を見ると、この地域が防衛一辺倒ではなく、成功の誇示や美意識の表現へも広がっていったことがうかがえます。そうした華僑富裕層の文化的志向は、立園のような庭園建築にも見られます。
ユネスコの世界遺産(世界文化遺産)に「開平の望楼群と村落」として登録されているエリアの近くにある。小説「紅楼夢」に登場する大観園をイメージして設計されたテーマパークのような庭園です。ここの望楼は住居用ではないので、住人は住んでいません。
中華人民共和国、広東省開平市
Kaiping, Jiangmen, Guangdong, China
ไคผิง, มณฑลกวางตุ้ง, ประเทศจีน
广东省开平市

開平の塔が物語る、移民と故郷の切れない関係
開平の望楼群が忘れがたいのは、そこに近代化という言葉だけでは収まらない感情が封じ込められているからです。富を得た喜び、故郷を守りたい焦り、離れて暮らした時間の長さ、外の世界への憧れ。そのどれか一つではなく、すべてが層になって積み上がり、あの塔の輪郭になったように見えます。
だから開平の風景は、西洋化の証拠でも、中国農村の例外でもありません。むしろ、海を渡った人びとが故郷と関係を切らず、送金と記憶を通じて村を作り替えた、その物理的な痕跡です。
静かな水田にそびえる塔は、異物のようでいて、じつはその土地の歴史にもっとも忠実な建築なのかもしれません。移民の経験、防衛の必要、そして帰郷への思いが重なったとき、開平にしかない景観が生まれました。
いま開平を訪れると、塔はもはや盗賊を警戒していません。それでも窓の小ささや上階の張り出しを見るたび、そこに暮らした人びとの緊張がかすかに残っている気がします。
農村風景や歴史建築に惹かれてこの地を知るなら、見どころは塔の華やかさそのものよりも、その形を生んだ社会背景にあります。開平の望楼群は、防衛の必要と華僑の送金・海外経験が重なって形づくられた、きわめて人間的な文化景観です。